「終活」という言葉が最近テレビでも取り上げられるようになり、
自分の老後や人生の終わりをどのようにしたいか考えたり、準備をする方が増えてきています。
自分が将来認知症になった場合や、死後の相続手続きなど、
何か対策をしたほうがよいのだろうかとなんとなく不安に思われている方も多いと思います。
そのような将来への不安については、事前に対策をたてておける法的な制度もありますし、
知識として知っておくだけでも不安が少し解消されることもあると思います。
終活は、その方の家族や資産の状況によって必要な対策が変わってきますが、
いずれも自分が元気なうちにしかすることができません。
相談者の方の希望やご家族の状況を伺い、最適な方法を検討させて頂きます。
「エンディングノート」とは、自分自身に何かあったときに備えて、
ご家族が様々な判断や手続を進める際に必要な情報を残すためのノートです。
また、これまでの人生を振り返り、これからの人生を考えるきっかけ作りにするものです。
エンディングノートは、書き方や内容も自分の想いを自由に書くことができますが、法的効力はありません。
遺産分割の方法など、ご自身の死後、残された人に法的効力をもって実行してもらいたいことがある場合は、
遺言書を作成する必要があります。
任意後見制度とは、委任者が自分の判断能力が十分なうちに、認知症などにより判断能力が不十分になったときに
備えて、あらかじめ自らが選んだ人(任意後見人)に、代わりにしてもらいたいことを契約(任意後見契約)で
決めておく制度です。
任意後見契約は、公証人の作成する公正証書でしなければなりません。
将来、実際に判断能力が不十分になった際に、後見監督人が選任されることにより任意後見が開始します。
自分の選んだ方に任せることができる点がメリットですが、任意後見監督人に対する報酬が発生する点や、
任意後見人に取消権がないというデメリットもあります。
※ 任意後見契約と同時に締結すると便利な各種契約 ※
見守り契約 |
任意後見契約が効力を生ずるまでの間、 本人の生活状況及び健康状態を見守るための契約です。 将来、判断能力が低下して任意後見契約が発動するまでの間、本人と任意後見人予定者との間で、定期的に電話連絡や訪問などにより意思疎通を行い、生活状況や健康状態を把握し、任意後見をスタートさせる時期を判断することを目的とする契約です。 |
財産管理等委任契約 |
車椅子生活や寝たきり状態などの身体的理由で外出が大変になり、銀行からの生活費の引き出しや、各種振込などが困難な場合であっても、本人の判断能力がはっきりしている状況では、任意後見人は本人に代わって後見事務を行うことができません。 このような状況に備えて財産管理等に関する代理権を任意代理人に与える契約です。 |
家族信託とは、信頼できる家族に財産を託して管理や処分を任せるもので、
信託契約書を家族と結び、財産の管理方法などを決めておきます。
自分が元気なうちに家族に財産の管理や処分を任せれば、万が一自分が認知症になって判断能力が低下しても、
それまでと変わらず家族に財産を管理してもらうことができます。
また家族信託では、遺言書ではできない二次相続における対策もすることが可能です。
遺言書の場合は一次相続までしか財産の承継先を決めることができないため、
先々の世代まで見据えて相続対策をしたい場合は、家族信託をご検討ください。
死後事務委任契約とは、委任者が第三者に対して、自身が亡くなった後の様々な事務手続きを
委任する契約をいいます。通常、死後の葬儀や身辺整理などは、親族が行うことが多いですが、
身寄りのない方や親族とは疎遠で付き合いのない場合に有効な契約です。
委任できる死後の事務としては、葬儀、納骨、関係各所への連絡、遺品整理、
生前受けていたサービスの解約などがあります。
遺言とは、自分の死後に誰にどれだけ財産を残したいかを意思表示することで、
それを書面にしたものが遺言書です。
遺言書がない場合、相続人は全員で遺産をどのように分けるかを話し合う遺産分割協議をしなれければなりません。
遺言書を作成しておくことで、相続人の負担を減らし争いを予防することができます。
相続人以外のお世話になった第三者に遺産を渡すことも可能です。
遺言書は、法律に定められた方式に従って作成しなければ、法的効力はありません。
⇒ 詳しくは「遺言書」のページをご覧ください。
個別にお見積り致します。